2015年11月20日金曜日

パリ同時多発テロの犠牲者のために祈りましょう.

Paris の悲惨な出来事から一週間がたちました.現地時間で21時半ころのことですから,日本時間では翌日未明になりますが,歴史には1113日付で記録されます.

改めて,すべての犠牲者と被害者,ならびに彼ら彼女らの家族と友人のために祈りましょう.特に,35歳で命を奪われた Hélène Muyal-Leiris と,残された夫 Antoine Leiris および息子 Melvil のために祈りましょう.Antoine は勇敢にも,不当な暴力に対して憎悪で応えることを控え,母を突然失った幼い息子を日常生活において支え続けています.

祈っても何もならないとあなたは思うかもしれません.そう,いわゆる現実のなかに,存在事象の次元に,祈りは何も起こしません.しかし,その「何も起きない」という無こそが,祈りの効果です.祈りは,あなたの生のなかに無をうがちます.「祈る」とは,願い事をすることではなく,無を生きることであり,死を生きることです.それが本当の祈りです.「祈る」とは,無と死を生きることによって永遠の命において神との交わりを生きることです.

主よ,亡くなられた人々に永遠の安らぎを与えてください.そして,彼ら彼女らを絶えざる光で照らしてください.傷つけられた人々を癒してください.喪に悲しむ人々をあなたの慈しみで支えてください.

Amen !

「あなたたちはわたしから憎しみを受け取ることはできない」

Antoine Leiris, 20151116日,彼の FB で.

「あなたたちはわたしから憎しみを受け取ることはできない」

金曜日[20151113日]の晩,あなたたちは,特別な人の命を奪った.わたしの生涯の愛である人,わたしの息子の母親である人の.だが,あなたたちはわたしから憎しみを受け取ることはできない.あなたたちが誰なのか,わたしは知らないし,知りたくもない.あなたたちは死せる魂だ.あなたたちが盲目的に殺しているのは神のためなら,そして,その神は我々を自身の似姿に創ったなら,わたしの妻の体のなかの銃弾ひとつひとつがその神の心を傷つけているだろう.

しかし,否.わたしは,あなたたちに憎悪の贈りものをする気はない.あなたたちは確かにそれを求めたが,しかし,憎しみに対して怒りで応えるなら,今のあなたたちの存りさまを作り出しているのと同じ無知に屈することになるだろう.あなたたちは欲している わたしが恐怖を感ずることを,わたしが同胞市民たちを不信の目で見ることを,わたしが安全のために自由を犠牲にすることを.あなたたちの負けだ.勝負はまだ続いているとしても.

わたしは今朝,彼女を見た.幾日も幾晩も待って,やっと.彼女は,あの金曜日の晩に家を出たときと同じく美しく,わたしが12年以上前に彼女に夢中で恋していたときと同じく美しかった.勿論,わたしは悲しみに打ちひしがれた.あなたたちに小さな勝ちを譲ろう.しかし,それは短時間しか続かないだろう.わたしは知っている 彼女は毎日わたしたちと共におり,そして,あの自由な魂たちの天国でわたしたちは再会するだろう,と.その天国にあなたたちが近づくことは決してない.

わたしの息子とわたしと,二人だけになった.しかし,わたしたちは世界のすべての軍隊よりも強い.それに,あなたたちにかかずらっている時間はもう無い.午睡から目覚めた Melvil のところに行かねばならない.彼は17ヶ月になったばかりだ.彼は,いつものようにおやつを食べる.それから,わたしたちは,いつものように遊ぶ.生涯,この小さな男の子は,幸福かつ自由であることによってあなたたちに恥をかかせることになる.なぜなら,否,あなたたちは彼からも憎しみを受け取ることはできないのだから.

2015年11月1日日曜日

11月2日,死者の日のために.

カトリックでは,毎年112日は死者の日,11月は死者の月と定められています.

1945年の敗戦から70年,改めて,戦争の犠牲者と被害者すべてのために祈りましょう.

第二次世界大戦における日本の戦争責任を否認する歴史修正主義が,今,日本で支配的になっています.

ドイツでは Nazi の支配下で犯された戦争犯罪は今もなお徹底的に裁かれているのに対して,日本では戦争犯罪者たちは靖国神社に神々として祀り上げられ,彼らの罪は否認され,罪として悔いられることもありません.それゆえ,彼らの罪はいつまでたっても赦されることがありません.

神は,わたしたちがまだ罪人であったとき,御子イェス・キリストを世に使わしてくださいました.そして,罪無きイェスは,わたしたちの罪をすべて身に引き受け,十字架上の死により,わたしたち皆を贖ってくださいました.

主イェス・キリストにならって,わたしたちも,世の罪を我が身に引き受け,みづからの罪として悔い,赦しを願いましょう.

靖国神社に祀られている14人の A 級戦犯の罪を含めて,第二次世界大戦で日本政府と日本軍,およびその関係者らが犯した罪をすべて,わたしたちは自分の罪として悔い,赦しを願います.

神よ,慈しみ深くわたしたちをかえりみ,豊かな哀れみによって,わたしたちの罪をお赦しください.

そして,すべての者に和解と平和をお与えください.

Amen !