兄弟姉妹たち,土浦教会のお御堂の,祭壇に向かって左側の壁,オルガンが置かれているところより少し入口寄りのところの床から 2 m ほどの高さのところに,さほど大きくない聖母子像,しかも,黒い聖母子像が置かれているのを御存じですか?あまり注意が向かうところではありません.わたしもつい最近気がつきました.
土浦教会の黒いマリア様
黒い聖母子像というと,フランス南西部のロカマドゥール
(Rocamadour) のマリア様が有名です.しかし,土浦教会の黒い聖母子像のオリジナルは,ロカマドゥールのものではなく,Michael 神父様が所属している「イェズス・マリアの聖心会」のパリ本部敷地内のお御堂に祭られている
Notre Dame de Paix [平和の聖母]と呼ばれている茶色い木彫の聖母子像です.オリジナルは高さ 33 cm ですから,土浦教会にある像は実物大の複製です.
平和の聖母
ラテン語では Regina Pacis 平和の元后
平和の聖母礼拝堂
オリジナルの製作時期は恐らく1510年代で,製作者については,フランス南部のラングドック地方に住んでいたということ以外,確かなことは不明です.
マリア様は,ギリシャ風のチュニックと,ルネサンス時代の上衣を着ており,やはりルネサンス時代の様式で結ばれた肩掛けを身にまとっています.イタリア・ルネサンス様式の彫刻です.
平和を象徴するために,マリア様はオリーブの枝を右手に持ち,平和の王であるイェス様を左腕に抱いています.
この像は,まずは,1518年に Jean de Joyeuse 子爵が結婚した際に,彼が妻に贈ったものでした.その後は,Jean の孫 Henri de Joyeuse 公爵の所有となり,彼が妻を亡くして1587年にカプチン会修道士となったとき,当該の修道会に寄付されました.
17世紀なかごろまでには,この聖母子像に対する崇拝は広く人々の間に行きわたり,1658年にはルイ14世がこの像の前でマリア様に祈ったところ病気が癒やされたという奇跡が起こりました.フランス革命の時期には,破壊を免れるために人目から隠されていました.そして,1906年に,Paris 12区 Picpus 通りにある「イェズス・マリアの聖心会」パリ本部に寄贈され,現在に至っています.
せっかくこんなにすばらしい聖母子像があるのですから,もっと大切にしましょう.人々に知らせましょう.
平和の聖母への祈り
(平和の聖母礼拝堂の公式の祈り)
乙女マリアよ,平和の聖母よ,
あなたは,神の平和,御子イェスをお持ちくださるために
わたしたちのところにまで来てくださいました.
試練や苦しみのときに,
また,伝道の新たな土地へ出発する前に,
あなたに祈ったすべての者たちと共に,
わたしたちもあなたを信頼して御もとに来ました,
あなたはわたしたちの母君ですから.
喜んでください,主に謙虚に使えるおかた,
あなたの御心のうちに,神は,この世でお住まいになるところを設けます.
御子イェスの御心のうちに
神は,優しさと憐れみを啓かしてくださいます.
十字架のもとで,あなたは,
御子がいただく赦しと平和を受け取ってくださいます.
命の水の源,イェスの御心へわたしたちを導いてください.
神の聖母よ,わたしたちが和解の使者となり,
平和の奉仕者となれますよう,
わたしたちのために,わたしたちと共に,祈ってください,
そのとき,わたしたちは知るでしょう,
この世が命を得られるよう,
しかも豊かに得られるよう,
福音の道をあなたと共に歩む者たちに
約束された心の平和を.
アーメン!
平和の聖母への祈り(エステバン・グムシオ
Esteban Gumucio 神父様)
乙女マリアよ,
イェスの母君よ,
あなたの優しい御心のなかで
正義と平和,
憐れみと真理は,
抱き合いました.
この世が与えることのできない平和を
復活した御子が与えてくださいますように:
御父との契約を新たにし,
わたしたちを自分自身と和解させてくれる平和を;
信仰における心の交わりである平和,
共同体を形成してくれる平和を;
最も困っている人々と連帯するための愛へ
わたしたちを導いてくれる平和を;
すべての人々のために
希望として輝いてくれる平和を;
イェスの御心によって
我らを伝道の情熱で満たしてくれる平和を;
憐れみと正義,
愛と真理,
喜びと自由の良き知らせを
全世界へ伝えてくれる平和を.
御父に賛美,
聖霊のうちに,
主イェスに栄光.
アーメン!
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